府民 秋の自然観察会の報告
―――石清水八幡のきのこ―――

                             2017年10月7日(土)



         主催  京都府山岳連盟
                    主管  自然保護委員会


実施日 平成29年10月7日(土) 9:30〜14:25
主 催:京都府山岳連盟 自然保護委員会
講 師:佐野修治先生(関西菌類談話会)
参加者:一般3名 山岳会員32名 委員・役員16名 講師1名 計52名
コース:約4km
9:30京阪八幡市駅前9:56−神応寺−(こもれびルート)−
11:51鳩ヶ峰11:57−12:27石翠亭前(昼食)−12:55記念碑横13:16−
裏参道−石清水社−七曲がり−13:40安居橋−解散14:25
写真 萩原孝一 田中晴喜 中村聖
報告 増尾翼

朝から雨だった。
京阪電車八幡駅のロータリに
集合した。



京都府山岳連盟会長挨拶の後、
佐野講師のお話があった。

吹春俊光さんの
「今日から始める自然観察」
(配布されたもの)で
キノコのことが大体わかる。

キノコは採集しません。
同じ命をもつものなので、
無駄にうばわないでほしい。

キノコは隠花植物というのは
間違い。
分からなくてもキノコを生徒と
一緒に調べる先生を増やしたい。

ナラ枯した木に付き易い、
カエンタケ(火炎茸)は触った
だけでも皮膚炎を起こす。
触らずに地中に埋めることに
している。

カエンタケに似た
ベニナギナタダケは可食。
広葉樹林やスギ林に
ベニナギナタダケができる。



キノコが無ければ倒木で
森林が歩けない。
まさに「縁の下の力持ち」
である。
キノコの名前は5つも
覚えれば良い。
生き方を覚えてほしい。
健康な土に命が芽生える。

これから2時間で周れるコース。
細い道もあるが、ゆっくり
行きたい。

神応寺の裏から「こもれびルート」
になる。

そこでマンネンタケが見つかる。
レイシとも言い漢方薬に
なっている。
「カサの上の幸が宿る」と言われ
お願いごとが一つかなえられる。
成長すると人間の顔ぐらいの
大きさになる。



桜の木を分解している
木材腐朽菌はウラベニガサタケ。
カサの下に鏡を入れて
見ると裏はピンク色。
還元者、分解者で、
健康な土を作る「緑の下の力持ち」。
カサが開くと子供が
生めるようになる。

ハカワラタケはまわりが紫色。
フウセンタケは樹木と
共生関係にあり、窒素、リンなど
無機塩類を樹木に供給している。

日照りと雨の繰り返しで
くさりかかったキノコもある。
竹林の細い道を歩いた。

ヒイロタケ。
食べられて胞子を運ぶ。

クロコブタケ、ニクウスバタケ。
木が弱ったからキノコがつく。

コウヤクダケ、ホコリタケの若い菌。

チシオタケ。
マッシュルームの仲間で和名は
ツクリタケ。



イグチ(猪口)裏がブタの鼻の様で
まるい穴が空いている。
ナメクジが食べ糞をすること
によって胞子を運ぶ。

ハカワラタケは木の枝に
ついている。
木材腐朽菌が立ち枯れの
木についている。

カワラタケ、シロハカワラタケは
植物遺体を分解する。

コウヤクダケ。クロコブタケ。

カワラタケが付いた白い幹は
立ち枯れ。

昆虫が植物遺体を噛み砕く。
昆虫はかむ生き物だが、
リグニンやセルロースは
分解できない。
キノコはリグニンやセルロースを
分解し無機物に返す。

コウヤクダケ。ハカワラダケ。

半透明の乳液を出すチチタケ。
カワムラフウセンタケ。



テングタケの幼菌、ツボあり、毒。

ウチワタケ。
植物は自分で栄養を作るが、
菌は根が無い。
動物は他の生物を口から
取り入れる。

キツネノチャブクロ、
ホコリタケ。

黒いキノコが見つかった。
グレーで変色性、網目が
細かいがカサの表面はヤスリの
ようで細かい隆起がある。
キノコと同じ目線で見る。
管孔の色が違い、しっかりしている。
カサの裏を観察する。
イグチ類は柄に網目、下に太い
カサが巻いている。
断面は白い。
五感を使って特に味覚を重視
して観察する。

ススケヤマイグチは色が
ユックリ変わる。

ベニタケ、おしろいの臭い。
シメジの仲間フェリリング。



ウマノケダケは山姥の
毛のようだ。

落葉に生える、ウスムラサキ
フウセンダケ。
ホウライタケ、
シロイボガサタケは乳頭型の
突起あり柄はねじれること
が多い。
ソライロタケも仲間。

ホウライタケ、シロイボカサタケ、
ナスコンイロイッポンシメジ、

シラタマタケの断面は寒天質
でハチの巣づくりに利用。

キイボカサタケ、アカイボカサタケ。

カシノナガキクイムシの退治。
ペットボトル先端部を重ねた
トラップを並べたユニーク
な実験。
カシナガに枯れない程度の
陥入させながら、集合ホルモンを
発散させて誘引された
他のカシナガを漏斗に衝突・落下
させて大量に捕獲する。

鳩ヶ峰頂上に着いた。
二等三角点鳩ヶ峰(点名八幡 
標高142.35 m)があり、国分寺の
石柱がある。
ここでしばらく休憩。




八幡リクレーションセンターの
階段をおりて舗装道にでる。

竹林の中にサンコタケ(三鈷茸)
があった。
人糞の臭いを放つ。

イカタケは腕が10〜15本ある。
胴が地面に突き刺さった
イカの足の様で非常に
珍しいキノコ。
昆虫などをおびき寄せる
ために非常にくさい。
昆虫に食べられて胞子を
運んでもらって生きる戦略。

地下生菌はカサを縮めて
地下に潜っていく。



トリフは一生地下で生活している。

ツエタケ。キツネノタイマツ。
コイヌノエフデ。スッポンタケなど。

石清水八幡宮横の駐車場に来た。
雨なのでお食事処「石翠亭」の軒を
借りて昼食になった。

昼食後、エジソン碑の西側で
佐野先生からお話があった。

シラタマダケは中のドロドロ
したものをハチが持って
帰って巣を作る。
シラタマダケの中にハチ
がいることも有る。
有効利用している。



ハラタケなどのキノコは
カサを縮めてまるくして地下に
潜るセコチオイド型に
進化している。
(セコチオイドは成熟しても
カサが開かないため
腹菌化の途上にあると考えら
れている形態)
(腹菌化はヒダを持たず
内部に胞子を持つキノコの種類)。

  キノコの最大はサルノコシカケで
長さ77cm、厚み28cmのものもある。
しかし地上のキノコは
花一輪にすぎない。
本体は地下の菌糸である。

ナラタケは3810m先まで
菌糸を延ばしている。
同じ菌糸であることはDNA
鑑定でわかった。

世界最大級はヤワナラタケで
アメリカ、ミシガン州で発見。
面積は6.5 km2(600ha、
東京ドーム138個分)、
推定重量は約100t、
推定年齢は約1500歳。

アメリカ、オレゴン州で
発見されたオニナラタケは
総面積約10km2(965ha、
東京ドーム206個分)、
推定重量約600t、
推定年齢は約2400歳。

マンネンタケは「幸茸」とも
言われ、宮崎県椎葉村では
大黒柱に供えられる。



キノコの名前は俗名と
和名がある。
観察会は標準和名を使って
いるが、学名はラテン語で
表記される。

ハナオチバタケは落葉の
間に生える可憐なキノコ。
森の掃除人。

ここで雨が降ってきて説明は
中断して、下山する。
石清水八幡本殿前を通って
裏参道にはいると、
楠正成によって植えられた
というクスノキ(高さ30m根回り18m)
があった。
護国寺跡、岩間から清水が
湧き出している石清水社を過ぎ、
松花堂跡から石段を下りると、
表参道に合流、七曲をおりる。
たいこ橋の安居橋横で
佐野先生の説明が続いた。

キノコは植物ではなくど
ちらかというと、動物に近い。
動物は消費者で口から
養分を摂らないと生きて
いけない従属栄養生物。
植物は生産者で独立栄養生物
である。
キノコは植物遺体を分解して
栄養を得ている従属栄養生物。

三界説は生物を動物、植物、
菌類に分けているが最近は
八界説が多い。

真菌類(キノコ、カビ、コウボ)は
細胞内に核があるが、
細菌は細胞内に核をもたない。

昆虫は植物遺体を食べる。
キノコは昆虫の糞も栄養
にしている。
有機物を無機物に変えていく
ことで健康な土になっていく。

粘菌は殺生菌 腐生菌である。
元気な木を弱らせる。

ヤナギマッタケも腐生菌。
キノコは還元者である。

キノコの裏にウジ虫がいたり
するので人工栽培したものが
食べるのには安全。



オニフスベはホコリタケ科、
大形球形で外皮が破れて
胞子をとばす。

ヒトヨタケはキノコランプ、
朝日がのぼると身を融かす。
カサを反り返らせて黒い
インクを流し胞子をまく。
有毒、食べるとアルコール
酔い似にた症状が1週間も続く。

ベニタケ科のチチタケは
傷つけると乳液を分布。

イグチ科はキノコ
のカサの部分が
反り返っている
のが、ブタが鼻を
使って土を掘る
様子に似ている
ことからイグチ
(猪口)と呼ばれる。

イグチ科の仲間に
イタリアや
ヨーロッパで好まれる
ポルチーニ
(ヤマドリタケ)がある。

ハラタケ科の
ナカグロッモリノカサは
マシュルームの
仲間だが有毒。

ヒカゲシビレタケは猛毒。

ナラタケモドキと
ナラタケとの大きな違いは
ナラタケモドキにはツバがない。
食べられる。

ハタケシメジは寄生菌で地下に
埋められた廃材から10年〜15年で
美味しいキノコがでてくる。

ヤナギマッタケは木の切り株に
20年後ぐらいに出てくる。

キクラゲは耳状、
ゼラチン質を含み、乾燥すると
小さく縮み、湿ると元に戻る。
八宝菜などで食用。



アラゲキクラゲ
はラーメン
などで食用。

エノキタケは森本彦三郎に
よって人工栽培された。
エノキタケは柿などに
自生するが、オガクズに
米ぬかを混ぜた培地(菌床)
で野生のエノキタケとは異なる
姿のモヤシ状態に育てた。

ホコリタケは上の穴から
胞子を放出。

オオミノコフキタケは
サルノコシカケの代表的なキノコ。
多年生で環紋がある。
下へ下へと成長する。

マンネンタケは広葉樹に
しかできない。

マゴジャクシは松に発生する。

冬虫夏草はアブラゼミ
などの昆虫に発生。

カマキリの腹にいる
ハリガネムシは宿主のカマキリを
水のある所に誘導するらしい。
ハリガネムシがいなくなると
カマキリは衰弱する。

今日のキノコ観察会では
名前を覚えるよりもキノコの
生きかたを見てください。

ここで解散になった。

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